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院内銀山ゆかり史跡と「見えない火山」の贈り物
かつて秋田藩直営の銀山として藩の財政を支え、銀の産出量日本一を誇った院内銀山。院内エリアに点在する銀山ゆかりの史跡と、もう一つの「火山の贈り物」を巡りましょう。
JR院内駅併設、重厚なレンガ造りの院内銀山異人館へ
院内銀山の様子を今に伝える資料館
スタート地点のJR院内駅に併設しているのが、院内銀山異人館です。院内銀山は1600年ごろに開山し、昭和29年(1954年)に閉山するまで、わが国を代表する銀山として栄えました。この資料館は、銀山の近代化を進めたドイツ人技師の住居を再現したレンガ造り風の建物です。展示室には院内銀山で使われた採鉱道具や銀山町の模型などを展示しています。1階は院内銀山の歴史をDVDで紹介しているので、観光前にぜひ立ち寄ってみましょう。
院内銀山に関する資料がずらりと並ぶ
坑内の様子を再現した作業模型。
物件名 | 院内銀山異人館 |
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読み仮名 | いんないぎんざんいじんかん |
電話番号 | 0183-52-5143 |
住所 | 湯沢市上院内字小沢115 |
交通 | JR院内駅からすぐ |
料金 | 入館 大人320円・中学生以下210円 |
営業・見学時間 | 9時から16時30分 |
定休日 | 年末年始および毎週月曜(祝日の場合は翌日) |
駐車場 | 8台 |
少し足を延ばして、院内銀山の史跡を巡ろう
現在の「御幸坑」の様子。当時はここから坑夫達が坑内へ出入りしていた。
明治14年に明治天皇が立ち寄られ「五番坑」から「御幸坑」へ改名された。
採石場跡から少し足を延ばすと、院内銀山史跡があります。豊かな自然のなかには院内銀山の守り神である金山神社をはじめ、坑夫の入口として利用されていた五番坑(のちの御幸坑)、院内銀山最大の墓地である共葬墓地、ドイツから招かれた技術者たちが暮らした異人館跡など、院内銀山とともに栄えた町の歴史を垣間見ることができます。
「御幸坑」の周囲はうっそうとした木々に覆われている
院内銀山の守り神として、人々に信仰された金山神社
石段を登ると高台に本殿が立つ
物件名 | 院内銀山史跡 |
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読み仮名 | いんないぎんざんしせき |
電話番号 | 0183-55-8195(湯沢市観光・ジオパーク推進課) |
住所 | 湯沢市院内銀山町字下夕町、同字上本町 |
交通 | JR院内駅から車で13分 |
料金 | 見学自由(冬季不可) |
駐車場 | なし |
迫力満点! スケールに圧倒される採石場跡
採石場跡の見学の様子
院内エリアにある「火山の恵み」は銀だけではありません。愛宕神社の裏にある採石場跡では、「院内石」とよばれる石材を採掘していました。このエリアは約580万〜320万年前の火山活動で窪地になった「カルデラ」の中にあります。その時に降り積もった火山灰などが固まった岩石(凝灰岩)が院内石です。軽石を多く含む院内石は、風化や熱に強く、酒蔵や倉庫などに利用されていました。現在、採石場跡は地元の方々によって整備され、誰もが見学できるようになっています。
愛宕神社の脇から採石場跡へ進むと、突然目の前に切り立った崖が現れます。壁面にはツルハシやタガネで手掘りした跡が残り、自分の背丈よりもはるかに高い場所から石を運び出していたことが伺えます。また、採石場跡から後方を眺めると、窪地になったカルデラを見渡すことができます。
愛宕神社の脇にある農道と坂道を上って採石場跡へ
採石場跡から見た院内カルデラの様子。
物件名 | 院内石採石場跡 |
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読み仮名 | いんないいしさいせきじょうあと |
電話番号 | 0183-55-8195(湯沢市観光・ジオパーク推進課) |
住所 | 湯沢市上院内 |
交通 | JR院内駅から徒歩15分 |
料金 | 見学自由(冬季不可) |
駐車場 | なし |