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小町まつり
世界三大美人の一人と称され、平安時代を代表する歌人、小野小町(おののこまち)。湯沢市の雄勝地域には小野小町ゆかりの史跡が点在している。毎年6月には小野小町の詠んだ和歌を朗詠し奉納するなどのイベントを実施する「小町まつり」が行われます。
平安の女流歌人「小野小町」生誕の地
情熱的な恋の歌を詠み、六歌仙、三十六歌仙に数えられる小野小町。世界三大美人ともいわれる美貌と知性を兼ね備え、平安時代を代表する歌人としても知られています。
湯沢市の南端に位置する雄勝地域内の、小野地区は、小野小町生誕の地と伝えられている場所です。小町は出羽国福富の荘(現在の湯沢市小野字桐木田)に生まれ、13歳で都に上り、16歳で宮中に仕え、歌人としての優れた才能と美しい容姿で帝から寵愛を受けたとも言われています。36歳で故郷に戻ってからは、生涯を終えるまでこの地で静かに過ごしたと伝えられています。
小町伝説が語り継がれる名所旧跡
雄勝地域には、美しい自然に調和するかのように、小野小町ゆかりの地が点在します。中でも「小町堂(芍薬堂)」は代表的なスポットで、小町を祀る御堂として昭和28年に建てられました。平成7年には建て替えも行われています。近くにある「芍薬塚(小町塚)」には、深草少将が「わたしのもとへ百夜通ったならばお逢いしましょう」と言う小町との逢瀬を夢見て99本の芍薬を連日植え続けたが、最後は亡くなったという悲話が残されています。
また、小町が晩年を過ごしたとされる「岩屋堂」、小町と深草少将が眠る「二ツ森」、小町の菩提寺である「向野寺」など名所や旧跡があり、今なお小野小町にまつわるさまざまな伝説が語り継がれています。
幻想的な舞台は必見!小町まつり宵祭り
小町娘たちに受け継がれてきた「小町おどり」
毎年6月の第2日曜日、小野小町をしのぶ「小町まつり」が行われます。昭和28年、小町堂が完成したことを機に「小野小町堂祭り」として始まり、昭和42年には市女笠姿の小町娘が登場しました。
祭りの前夜に行われる「宵祭り」では、小野小町の生涯を再現した「小町逢瀬の図」が披露され、光と音の演出のもと、はかなくも美しい時代絵巻が繰り広げられます。賑やかな小町太鼓の演奏や、美しい小町おどり、7人の小町娘の撮影会が催されます。
本祭りでは7人の小町娘が和歌を奉納
小町の郷公園内の舞台で和歌の奉納が行われる
2日目の「本祭り」は、祝詞奉上から始まります。巫女姿で神前を清め、小町の魂を慰める謡曲が歌われるうちに市内から選び抜かれた7人の小町娘が登場。その後、小町が詠んだとされる7首の和歌を朗詠し、奉納します。
近隣の保育園児たちが平安時代の装束に身を包むかわいらしい稚児行列や、餅つき大会、有料撮影会など、地元の人々も参加する多彩なイベントが開催されます。
小町の郷公園を歩く7人の小町娘
小町ゆかりの名所旧跡が7カ所あることなどから、7人の小町娘が登場する
小町堂の舞台で行われる「七小町朗詠和歌」は本祭りの一番の見どころ
平安ロマンあふれる小町の郷さんぽ
小野地区には小野小町ゆかりの名所・旧跡をめぐる散策コースが設けられています。小町の郷公園の隣に位置する二ツ森は、小町と深草少将の墳墓と言われ、大きい丘は男森(少将の墓)、小さい丘は女森(小町の墓)と呼ばれています。小町堂の近くにある桐木田の井戸は、小町が産湯を使った井戸と伝えられ、江戸時代初期に創掘された貴重な遺跡です。かつて深草少将が橋のたもとに住む姥(うば)に頼んで小町に恋文を送り、返事を待っていたという御返事(御返事橋)、小町が香を焚きながら自像を刻み晩年を過ごしたといわれる岩屋堂など、ほかにもロマンチックな伝説の地が点在。小町の生涯に思いを馳せながら巡ってみましょう。
四季折々に美しい花が咲く、小町の郷公園
小町の郷公園近くの芍薬園では約150種7000株の芍薬が艶やかに花開く
小町の父である小野良実(おののよしざね)の館跡に残された井戸
御返事橋のたもとで深草少将は返事を待ち続けた
広さ20畳程度の空間には、鴨居や敷居の跡が見られる
物件名 | 小町まつり |
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読み仮名 | こまちまつり |
電話番号 | 0183-52-2200(湯沢市雄勝観光協会) |
住所 | 湯沢市小野二ツ森(小町の郷公園) |
交通 | JR湯沢駅から車で20分 |
駐車場 | 普通自動車157台 大型バス8台 |
※開催状況等については、市からの最新情報をご確認ください。