水害時の衛生対策
水害により家屋などが浸水した場合、細菌やカビが繁殖しやすくなり、感染症が発生するおそれがあります。
感染症予防のためには「丁寧な清掃」と「十分な乾燥」が重要になります。必要に応じて「消毒」を行ってください。
掃除について
掃除の際の注意事項
- ゴーグル、マスク、手袋、底の厚い靴を着用して身を守り、安全に行ってください。
- しっかり換気をして作業しましょう。
- 消毒の効果を発揮させるためにも、泥を十分に取り除き、しっかり乾燥させましょう。
床上浸水の場合
室内は、食事や睡眠など生活を行う場所のため、泥や汚れを十分取り除いたあと、消毒を行いましょう。
- 汚れた家具や床・壁などは、水で洗い流すか、雑巾で水拭きするなどしてください。
- 食器棚や冷蔵庫などは、汚れをきれいに拭き取ってください。
- 食器類や調理器具などは、水洗いして汚れをきれいに洗い流してください。
- 消毒は、清掃や拭き取りで十分に汚れを除去し、乾かしたあとで行ってください。
家の周囲や床下浸水の場合
庭や床下などの屋外の消毒は原則不要です。土砂などを取り除いたあと、しっかり乾かすことが重要です。
- 庭木や家の外壁についた泥は、水で十分に洗い流してください。
- 床下換気口のごみを取り除き、床下の風通しをよくしてください。
- 床下は、スコップや流水を用いて泥を取り除いたあと、雑巾などで水気を取り、扇風機やサーキュレーターを使って換気し、乾燥させてください。
- 地形や家の造り、日当たりなどによって乾燥しにくい場所は、ハエやボウフラ発生予防のため、殺虫剤などを使用した方がよい場合もあります。使用する際は、市販の殺虫剤を適正な方法で使用しましょう
消毒について
消毒の際の注意事項
- 消毒の際には長袖、長ズボンを着て、マスク、ゴム手袋、ゴーグル等を着用し、皮膚や目にかからないように注意しましょう。
- 暑い中で作業する場合は、熱中症にも注意してください。
消毒に使用する薬剤
消毒液は、希釈して(薄めて)使用するものと、原液のまま使用するものがあり、ドラッグストアや薬局、ホームセンターなどで購入できます。
- 希釈して使用するもの … 次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤でも可)、塩化ベンザルコニウム(逆性石けん)
- 原液のまま使用するもの … 消毒用アルコール(アルコール濃度70%以上)
家具類・床の消毒方法
消毒方法
消毒薬 |
希釈方法 |
使用方法 |
次亜塩素酸ナトリウム
(家庭用塩素系漂白剤でも可)
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0.1%に希釈する
(水1リットルに消毒液20ミリリットルを加える)
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- 汚れを洗い流すか水拭きし、十分に乾燥させた後、希釈した消毒液を浸した布でよく拭く。
- 金属面や木面など色あせが気になる場合は水で2度拭きする。
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消毒用アルコール |
希釈せず原液のまま使用する |
- 汚れを洗い流すか水拭きし、十分に乾燥させた後、アルコールを含ませた布でよく拭く。
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10%塩化ベンザルコニウム(逆性石けん) |
0.1%に希釈する
(水1リットルに消毒液10ミリリットルを加える)
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- 汚れを洗い流すか水拭きし、十分に乾燥させた後、希釈した消毒液を浸した布でよく拭く。
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食器類・流し台・浴槽の消毒方法
消毒方法
消毒薬 |
希釈方法 |
使用方法 |
次亜塩素酸ナトリウム
(家庭用塩素系漂白剤でも可)
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0.02%に希釈する
(水1リットルに消毒液5ミリリットルを加える)
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- 汚れを洗剤と水で洗い落し、希釈した消毒液に浸すか、消毒液を含ませた布などでよく拭く。
- その後、水洗いや水拭きをして、よく乾燥させる。
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消毒用アルコール |
希釈せず原液のまま使用する |
- 汚れを洗い流すか水拭きし、十分に乾燥させた後、アルコールを含ませた布でよく拭く。
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10%塩化ベンザルコニウム(逆性石けん) |
0.1%に希釈する
(水1リットルに消毒液10ミリリットルを加える)
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- 汚れを洗剤と水で洗い落し、希釈した消毒液に浸すか、消毒液を含ませた布などでよく拭く。
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消毒液を使用するときの注意事項
- 濃度や用法など、使用上の注意を確認し、他の消毒液や洗剤などと混合しないようにしましょう。
- 希釈して使用する際は、作り置きはせず使用直前に希釈しましょう。
- 消毒液を保管する場合は、ラベルをはがしたり、他の器に移したりせず、日の当たらない涼しい所で、子どもの手の届かないところに保管しましょう。
食中毒、感染症の予防について
- 調理や食事前、およびトイレのあとは、石けんで十分に手洗いしてください。
- 手拭きタオルの共用は避けましょう。ペーパータオルの使用が望ましいです。
- 水に浸かった食品や、停電などで保存温度が保てなかった要冷蔵・要冷凍食品は廃棄してください。
- 食器や調理器具などは、次亜塩素酸ナトリウム希釈液に浸したあと、よく水洗いしてから使用しましょう。熱に強い素材のものは、煮沸消毒や熱湯消毒も効果的です。
- 生水は飲用しないでください。浸水した井戸水も、水質検査後まで飲用しないでください。
※腹痛・下痢・発熱など、体に異常を感じたら、早めに受診してください。
その他、消毒を行う際の注意点等については、下記関連情報をご参照ください。
被災した家屋での感染症対策【厚生労働省】<外部リンク>
水害における衛生対策と消毒について [PDFファイル/883KB]
<外部リンク>
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