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きゅうおがちぐんかいぎじどう
1棟
県指定/建造物
昭和50年4月10日
湯沢市北荒町2番20号
湯沢市
明治25年(1892)
木造 二階建 寄棟造 鉄板葺 延床面積498.5平方メートル
この建物は、雄勝郡役所の議事堂として独立させて新築したもので、明治24年(1891)に工事着工し、翌25年(1892)11月1日に落成式を行っている。設計者はドイツ人(氏名不詳)、大工棟梁は阿部孫四郎(あべまごしろう)である。
基礎は二段切石布積み、外壁は下見板張りで小屋組は木造で洋式の工法をとっている。玄関は三方を吹き放し、上部を木製アーチとし、軒下に飾り板をつけている。窓は上げ下げ窓で、鎧戸をつけている。
大正12年(1923)の郡制廃止にともない湯沢町に払い下げられ、その後、湯沢町公会堂・雄勝地方事務所、町役場、市役所、公民館、図書館に利用され、昭和57年(1982)9月まで使用された。昭和59年(1984)全面改修工事、平成18年(2006)内壁の補修を行う。また、竣工当時の姿を復元すべく翌19年~20年(2007~08)には鎧戸を、平成25年(2013)には二階旧議場に議場柵の取り付け工事を行う。
この建築物は、県内に残る代表的な明治時代の洋風官衙(かんが)建築として価値があり、また地方行政制度の変遷を知る上で貴重な遺構である。