本文
いんないばんしょえず
1幅
市指定/絵画
平成8年12月24日
湯沢市清水町二丁目
個人
江戸時代 弘化四年(1847)
縦34.2センチメートル 横86センチメートル 絹本著色
この図は、江戸時代後期の院内口留番所(くちどめばんしょ)の様子を描いたものである。作者は、京都四条派画家山脇東暉(やまわきとうき)門下生の大角南耕(おおすみなんこう)である。
門周辺には柵がめぐらされ、一段高いところに位置する役所には五本骨扇紋(ごほんぼねおうぎもん)の幕が張られている。役所には槍や刺又(さすまた)を立て、その下に笠を脱ぎ膝をついて役人を待つ通行人の姿が描かれているなど、当時の領境の番所の様子を知る貴重な資料である。
近世の関所は江戸幕府により設置された関所施設をいうが、秋田藩では主要な番所を関所と呼んでいた。寛政(かんせい)四年(1792)、公儀の関所以外はすべて「境目(さかいめ)口留番所」とするよう通達があり、以後関所呼称をやめている。