本文
もくぞうあみだにょらいりゅうぞう
1躯
県指定/彫刻
昭和34年1月7日
湯沢市下院内字新馬場153番地1
誓願寺
鎌倉時代
像高106.3センチメートル ヒノキ材 寄木造 漆箔仕上げ
大衣(だいえ)を着けて直立し、来迎印(らいごういん)を結ぶ通形(つうぎょう)の阿弥陀像である。両手四指に欠損がみられ、踏割蓮華座(ふみわりれんげざ)と舟形光背の一部のみ残っているが、透かしのある光背や蓮座から鎌倉時代の中央仏師の作と推定される。
この像は、江戸時代初期に院内銀山町に創建された浄土宗西光寺(さいこうじ)の本尊で、都方から銀山に移住した多くの浪人たちの懇願によって京から招へいされ、西光寺二世となった欣求和尚(ごんぐおしょう)が故郷より求めたものと伝えられる。現在、誓願寺(せいがんじ)にあるのは、大正末期に西光寺が銀山から退くとき、浄土宗の同寺に安置を依頼したことによる。
江戸時代に隆盛を極めた院内銀山の文化を伝える遺品としても重要である。
なお、平成27年(2015)、両手首・袖口、割り首ほぞの継ぎ目、踏割蓮華と台座、光背の修復を行っている。