本文
いなにわここんじせきし
21冊
市指定/書跡・典籍
平成16年2月12日
湯沢市稲庭町字南ケ沢
個人
明治37年(1904)
縦24.2センチメートル 横16.6センチメートル
佐藤清司(さとうせいじ)が明治37年(1904)、72歳のときに著したものである。「稲庭」の地名の由来や地勢、社寺、民俗、風俗等稲庭地区の事蹟が網羅された書籍である。
慶長(けいちょう)十九年(1614)と文化(ぶんか)十年(1813)の検地帳による字地名の変遷や、江戸時代後期に川原毛(かわらげ)硫黄山の精錬法を研究した佐藤新兵衛(しんべえ)のこと、稲庭干温飩(ほしうどん)の製造を始めた小沢(こざわ)の佐藤市兵衛(いちべえ)が、元禄(げんろく)三年(1690)に藩主の御用を賜ったことなどが記されている。
佐藤清司は天保(てんぽう)四年(1833)、稲庭村に生まれ、明治39年(1906)に74歳で没した。郷土史研究家で、神道家としてもよく知られる。この書籍の他に60巻を越える郷土史資料の編集を成し遂げ、湯沢雄勝地方の郷土史研究に大きな指標を与えた。