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あぶみでんいせきしゅつどどぐう
2点
県指定/考古資料
平成23年3月22日
秋田市金足鳰崎字後山52番地 秋田県立博物館
(出土地 湯沢市松岡字鐙田127番地)
湯沢市
縄文時代晩期
この2点の土偶は、昭和48年(1973)に、松岡字鐙田地内で、圃場(ほじょう)整備中に発見された縄文時代晩期の土偶で、特徴的な髪の表現から結髪(けっぱつ)土偶と呼ばれる。
1.の土偶は、両腕は抽象的に表現し、左足先を欠損する。頭部や肩、足先に赤い顔料が付着している。平坦で、斜め上を向いた顔には、小さな窪みに刻みを巡らせて目と口が表現され、両耳には小さな孔がある。粘土のはがれた痕跡から、眉と鼻は粘土で表現されていたと分かる。下半身には毛皮のようなはきものが表現され、つま先には沈線で指が表現されている。特徴的な髪型は、頭上で2つの環を描くように結い上げられている。
2.の土偶は、上半身が残されており、顔の表現や肩が強く張る姿は1.と共通する。腕は小さく簡略化されている。胸に粘土のはがれた痕跡があり、本来は乳房の表現があったと考えられる。腹部には孔のある突起で臍(へそ)が表現されている。
どちらも沈線で単純な直線的文様が描かれており、縄文時代晩期末葉の特徴を示している。
鐙田遺跡出土土偶1の大きな回転画像<外部リンク>