本文
かわらげのさんせいへんしつたい
県指定/天然記念物
平成28年8月30日
湯沢市高松字高松沢国有林5林班に小班外8
国(農林水産省)
指定面積 51.48ha
川原毛の酸性変質帯は、栗駒国定公園(昭和43年(1968)7月指定)内、地熱地域の中心部、泥湯温泉付近の県道秋ノ宮小安(おやす)温泉線(県道310号線)沿いに位置する。
この一帯は、強酸性熱水と噴気作用により変質し、石英が主成分の白色珪化帯となっている。至る所から火山ガスが噴出し、白い山肌と奇岩に覆われ、植生の見られない荒涼とした景観である。火山ガス噴出の様子や噴出口に硫黄が結晶化した様子が間近で見られるなど、火山活動観察の適地でもある。
川原毛の酸性変質帯は、その異様な景観から川原毛地獄の名で霊地としても知られ、古くから多くの修験者が訪れ広く信仰を集めてきた。文化(ぶんか)十一年(1814)から翌年にかけて菅江真澄(すがえますみ)もこの地を訪れ、川原毛地獄の激しい噴気の様子などを描いている。近くには硫黄鉱山の跡もあり、元和(げんな)九年(1623)に採掘を開始してから昭和41年(1966)の閉山まで、344年間にわたり良質の硫黄を産出してきた。
川原毛の酸性変質帯は、古くから人々の生活や信仰と深く関わってきた地域であり、活発な熱水活動を代表する地域として学術上貴重である。