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いしまごほんてんうちぐらほかよんとう
5棟
国登録/建造物
平成10年12月11日
湯沢市岩崎字岩崎162番地
有限会社 石孫本店
石孫本店は、安政(あんせい)二年(1855)創業の雄勝郡最古の醤油醸造元である。
醸造蔵の2号蔵から5号蔵は敷地内北から南に道路沿いに並んでおり、雰囲気のある景観をつくっている。明治37年(1904)に洋小屋を用いて建てられた1号蔵は、平成23年(2011)の豪雪と3月の東日本大震災で被害を受け現存していない。
各蔵には棟札が残されており、施主は二代石川孫左衛門(いしかわまござえもん)、大工棟梁はこの地で活躍した斎藤彦右衛門(さいとうひこえもん)である。内蔵は、腰壁を煉瓦張りとするなど洋風の意匠を取り入れている。それぞれの小屋組とその建築年代に注目すると3・4号蔵は和小屋、2・5号蔵は洋小屋が採用されており、明治から大正にわたる一人の大工の技術変遷を確認することができる貴重な建造物である。