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こくうあん
1棟
国登録/建造物
平成31年3月29日
湯沢市湯ノ原一丁目
法人
昭和28年(1953)
平成19年(2007)移築
木造平屋建、金属板葺、建築面積55平方メートル
顧空庵は、昭和28年(1953)、東京都世田谷区上野毛に白井晟一の設計によって建築され、雑誌等で試作小住宅と呼ばれた建物である。平成19年(2007)、湯沢市に移築された。
外観は、切妻造の木造平屋建で、外壁はモルタルの上に漆喰を塗って仕上げている。内部は、東側の玄関より入り、右手に便所、三帖室、左手に浴室、台所、洗面脱衣室がある。奥には、一体の空間である勉強室と四帖半の和室が、丸柱と袖壁を介して緩やかに分けられている。
効率的な平面計画と規格材の利用によりローコスト化を図りつつ、仕上げ材の選択や空間構成を工夫することで、小規模ながら豊かな住環境を実現している。
建築時期の時代背景を投影しながらも、白井の思想やアイディアがよくあらわれた建築であり、構造材のほとんどが当初のもので保存状態も良く、現存する白井の住宅建築として貴重である。