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関係人口は"観光以上移住未満"と例えられることもあります。関係人口として湯沢市と多様に関わっている人を紹介します。
「もともと伝統的工芸品である『こけし』が好きで、東北各地のこけしの産地を旅していました。『犬っこまつり』にあわせて『秋田県こけし展』が開催されると知ったことがきっかけで、はじめて湯沢市を訪れました。」
「2020年度に、ローカルに関心のある全国の人が、湯沢市の暮らしを体験したり地域の人と交流することで、湯沢市とつながる『きっかけ』を見つける講座『ゆざわローカルアカデミー』を受講しました。講座終了後には、他の受講生とともに、クラウドファンディングでりんごのクラフトビールを作るという取り組みに参加させていただきました。」
(りんごのクラフトビールについては卒業生による自主イベントやプロジェクトをご覧ください。)
「『ゆざわローカルアカデミー』のこれまでの受講生を対象に、希望者を募って開催された湯沢市でのフィールドワークに、2022年秋に参加させていただきました。その際、ゆざわローカルアカデミーをご担当されている方に、『湯沢市で働きながら暮らしてみたい』『できれば農業に関わるお仕事をしてみたい』と相談させていただきました。というのも、私は現在、自分の大好きな場所で働き暮らしながら、旅するように生きています。その中で、ぜひ湯沢市でも暮らしてみたいという気持ちを持つようになっていました。そこでご紹介いただいたのが、さくらんぼ農家さんでのお仕事でした。」
「働くことが本当に楽しく毎日仕事に行くのが楽しみだったこと、湯沢市で暮らしている方々の中に混ざって自分も一緒に働かせていただけた幸福感が印象に残っています。
まず、本当に毎日仕事に行くのが楽しみでした。私はこれまで農業に関わる仕事をしたことがなく、仕事が始まるまで不安がありました。さくらんぼ農家さんでの私のお仕事は、主にさくらんぼの選果と直売所での販売と発送等の受付でした。大切に育てられたさくらんぼと向き合う毎日は、さくらんぼの愛らしさにとっても癒される日々で、毎日さくらんぼを見ていても、全く飽きることはありませんでした。直売所で、毎年楽しみにされている方や遠方から買いに来てくださる方々に、大切に育てられたさくらんぼのことをお伝えしたり言葉を交わす時間はとても幸せでした。」
「そして、一緒に働かせていただいたみなさんは湯沢市や近隣にお住まいの方だったので、大阪から来た私を受け入れてくださったことが、まずとても嬉しかったです。一緒に働かせていただいたみなさんが本当に親切にしてくださり、湯沢のこと、秋田のこと、秋田の言葉など教えていただきました。特に、以前から秋田の寒天文化に興味があったのですが、寒天の作り方を教えていただけたことで、自分でもさくらんぼのワイン煮の寒天作りに挑戦してみたりしました。
これまで仕事をしてきて、仕事に行くことが毎日楽しみだったのは、今回のさくらんぼのお仕事が初めてでした。あたたかいみなさんと愛らしいさくらんぼに囲まれたからこそ、毎日とても幸せな気持ちで働くことができたのだと思います。」
「働かせていただいたさくらんぼ農家さんの他にも、今回、いちご農家さんや、ブルーベリー農家さん、川連漆器の職人さんなど、様々な方のところにもお伺いする機会をいただきました。みなさん、それぞれの暮らしがあり、それぞれの想いを持ってお仕事をされていて、本当にかっこいいなぁと憧れてしまうような生き方をされている方々でした。
これからも湯沢と関わらせていただきたいと思うとき、思い浮かぶのは、今回、1カ月と少し湯沢で滞在する中で、お会いした方々のことでした。
今はまだ、具体的にどのように関わらせていただけるのかはわかりませんが、また会いたい方々が湯沢に本当にたくさんいらっしゃいます。
『帰ってきました!』と元気に笑顔で、定期的に、大阪から湯沢に足を運び、湯沢で出会うことのできたみなさんと再会してまた楽しい時間を一緒に過ごす。そのような関係が、これから続けさせていただけたら、私はとっても幸せだなぁと思うのです。」